レンズの仕様表にある「最短撮影距離」と「最大撮影倍率」は、どちらも接写性能に関係しますが、示しているものは別です。小物や料理、花を大きく撮りたいなら、数字をセットで確認する必要があります。
※アイキャッチは編集部制作の概念画像で、実製品写真ではありません。
2つの数字の違い
| 項目 | 示すもの | 選ぶときの注意 |
|---|---|---|
| 最短撮影距離 | ピントを合わせられる最も短い撮影距離 | 一般に撮像面から被写体までの距離。レンズ先端からではない |
| 最大撮影倍率 | 撮像面上に写る像の大きさと実物の比 | 同じ距離でも焦点距離や設計によって変わる |
「近づける」と「大きく写せる」は同じではない
最短撮影距離が短いレンズは被写体へ近づけますが、それだけで必ず大きく写せるとは限りません。最大撮影倍率が0.5倍なら、実物10mmの被写体が撮像面上では5mmの像になるという考え方です。接写を重視するなら倍率の確認が重要です。
仕様例で数字を読む
キヤノンRF50mm F1.8 STMの公式仕様例では、最短撮影距離0.30m、最大撮影倍率0.25倍です。RF24-105mm F4-7.1 IS STMは、AF時のワイド端で最短0.20m・最大0.4倍、MFのCenter Focus Macroでは最短0.13m・最大0.5倍と案内されています。ズーム位置やAF/MFで値が変わるレンズもあるため、注記まで読みましょう。
ワーキングディスタンスにも注意
撮影距離は撮像面から測るため、実際のレンズ先端と被写体の間隔はそれより短くなります。この間隔はワーキングディスタンスと呼ばれ、近すぎるとレンズの影が落ちたり、昆虫が逃げたり、照明を配置しにくくなったりします。単純に最短撮影距離が短い方が使いやすいとは限りません。
用途別の確認ポイント
- 小物・アクセサリー:最大撮影倍率と照明を置ける間隔
- 花・昆虫:望遠側の倍率とワーキングディスタンス
- 料理:最短撮影距離だけでなく画角と遠近感
- ズームレンズ:どの焦点距離で公称倍率になるか
まとめ
最短撮影距離はピントが合う距離、最大撮影倍率はどれだけ大きく写るかの指標です。接写レンズは倍率を中心に、焦点距離、撮影距離、AF/MF条件を合わせて比較しましょう。
出典:キヤノン RF50mm F1.8 STM 特長/キヤノン RF24-105mm F4-7.1 IS STM 特長/キヤノン RF24-240mm F4-6.3 IS USM 特長

